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Mon.

復活の日3 (MITSUI)

それでは、本日もまいりましょう
2000年9月11日、東海豪雨ドキュメント 「復活の日・第3話」 であります。

第1話】 【第2話

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

復活の日 (第3話)

午後9時30分
地下鉄「栄駅」の改札を通り抜けた私は、携帯をかけるため地上へと向かった。

階段を駆け上がり出口付近まで近付くと、外を眺めながら呆然と立ち尽くす人だかりが見えた。
そして、外界を臨む位置にまで進んだ時、私の目の前に、その凄まじい光景が出現した。

『滝だ・・・』

とても雨と呼べる代物ではない。
今まさに、この名古屋の中心市街地が大きな滝壷と化していた。

出口からは、地下街内部にまで届く勢いで、猛烈な飛沫が吹き込んできていた。
私は雨の当たらない場所まで引き戻り、携帯で家に連絡をとってみた。

私の予想通り、名古屋駅を離れたことがよかったのか、携帯が繋がってくれた。
カミさんに、一通り現在の状況を説明し、今夜はとても帰れそうにないことを伝えた。

「わかった。大変だけど何とか頑張ってね。」

こんな状況下だ。カミさんの受け答えにも、いつにない優しさが感じられた。
続けて、携帯の電話帳に登録しておいたビジネスホテルに当たってみることにした。

「あいにく本日は満室となっております。誠に申し訳ございません。」

高島政信の如き応対で、あっけなく断れた。
近くにカプセルホテルがあったことを思い出したが、電話番号がわからない。

「しかたがない。行くしかないか。」

決意した私は、カプセルを目指し滝壷に突入した。

GOUU-2.jpg

ものすごい圧力が傘を押し潰しにかかってくる。
集中砲火を避けながら、湿地帯を駆け抜けるベトナム兵の様に、私は身を屈め、全身ズブ濡れになりながらひた走った。
平常時で徒歩5分程度の距離を20分以上かけて何とかカプセルに辿り着いた。

「お客さーーん。カプセルご利用ですかア? すいません全部満室なんですよー。本当に申し訳ございませーん。」

ちくしょーっ、ここも高島政信だった。
しかし、もうこれ以上、悠長に考えている余裕はない。
私は、すかさず次の行動に移った。
途中、電話ボックスがあったのをチェックしておいたのだ。そこにいけば電話帳があるはず。
私は再び、豪雨の中に飛び込んだ。

ドドドドドドドドッ!

電話ボックスの中、雨音がマシンガンのごとくガラスを叩き付ける。
夢中で電話帳を開き、近くのホテルやカプセル、サウナなどを片っ端から当たってみたが、望むべくもない。この状況下で結果は明らかだった。

もはやこれで万策尽き果てた。
少し涙が出てきた。
豪雨に煙る電話ボックスのガラスごし、途方に暮れたズブ濡れの中年サラリーマンの、ひとり泣いている姿がそこに写っていた。

『マジで、どうしたらいい。』

私は、何げなく携帯を取り出し、ガラスにもたれながら、その画面をボンヤリ眺めていた。
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
『あっ、あった。』

第4話へつづく


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