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Sun.

復活の日2 (MITSUI)

こんにちは、GARAGE-X DrumsのMITSUIです。

本日も、2000年9月11日の豪雨の模様をお届けします。
今日は、前回の 「復活の日 (第1話)」 からの続きとなります。
どうぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

復活の日 (第2話)

午後8時20分。
列車のドアから、たぶん人で溢れかえっているであろうホームに、私は躍り出た。

名古屋駅ホーム

ところが、思いのほか、ホームには人の姿が少なかった。静けささえ漂っている。
どうやら人々の多くは、家に帰ることを諦め、宿泊先を求めて分散をはじめた様だ。
私はフラフラと、ホームの待合室に入った。

待合室の中は、まるで野戦病院の如きありさま。疲れた身体をグッタリと持たせかけた人々で、全てのソファは埋まっていた。

「満員か・・・。」

ため息をつきながら踵を返し、外に出ようとしたその時、ちょうどすぐ手前のソファに座っていた一人が席を立ち、外へ出ていこうとしていた。

「ありがたい。」

すぐさま、私はその空いたソファに腰を沈め、同時に、全身から一気に力が抜け落ちるのを感じた。
目を閉じ、暫くその脱力感に身をまかせると、少しづつだが気分が落ち着いてくるのが実感できた。

ふと、昼から何も食べていないことと、家に連絡していないことに気がついた。
ホームの売店で、何か腹の足しになるものを仕入れたかったが、今は、この座席を奪われたくない。もう少しだけ、こうしていたかった。

取り敢えず携帯を取り出し、家に連絡することにした。
しかし何度送信ボタンを押しても、画面には「しばらくおまちください。」というメッセージが表示されるばかり。一向に繋がらない。

おそらく、この名古屋駅という狭い空間で、何千もの人が一斉に携帯を使用しているのであろう。
NTTの中継基地がパンクしても不思議ではない状況だ。
暫く携帯相手に悪戦苦闘していると、隣の席に座るサラリーマン風のオヤジの着信音が鳴った。

「あっ、もしもし。あっ、俺、俺。ひゃあー、やーっとつながったわーー。こっちからかけても全然つながらんかったもんだで。もう携帯パンクだわ。
え? 電車? あかんわ、もう、ゼンッゼン動かんわ。
えっ? 今? 今はおまえ、新幹線のホームの待合室だがや。
何かよー、こだまがすぐに動くようなこと言っとったもんだで、ズーーーっと待っとったんだけど、それからゼンゼン動きゃへんのだて。JRうそバッカだでかんわ。
アナウンスもゼンゼン入れやせーへんしよー。アッタマくるでかんわ、ホントに。
おーーっ、ほんだで、もうチョコット待っとってみるわ。
えー? なにー? まだ雨ひどなるのかア? もう、たまらんなア。今日は帰れんな、こりゃ。
おっ、おっ、わっかった。何とかするでエエわ。ほんじゃあな、ハイハイ、ハイハイハイハイハイハイ。」

オヤジは、話し終えると、何やら独り言を呟きだした。

「もう、なんだか、これからもっとひどなるらしいわ。もう、帰れんかもしれんなー。
どうしようかなーホントに。ここで泊まってくしかないんかなー。
いやーー、まいった、まいった、ハハハハハハハハ。」

ヤバイのである。
明らかに私に向かって話し掛けている。

人間は、この様な異常な状況下に陥ると、それを共有すべく、他人と喋りたくなるといった精神状態に置かれる事がある。
今まさに、このオヤジがその状態。この大雨の話やら、電車の動かない話やら、何でもいいから誰かと喋りたくて仕方がないといった様子だった。

名古屋駅ホーム2

今ここで、彼と視線を合わせたら最後、待合室で延々と話しを聞かされながら一夜を過ごさねばならなくなるだろう。
私は視線をそらし、慌てて寝た振りをした。

時刻は午後9時を回っていた。
ありがたいことに、隣のオヤジも寝息をたてはじめていた。

家に帰るのはとっくに諦めていたが、なんとか宿泊先を確保しなければならない。
この固い椅子で一晩過ごすのは、お尻の弱い私にとっては、あまりにも酷な話しである。
しかし、宿を探すにも携帯が繋がらなければ、ホテルに確認することすらできない。

●取り敢えず、この名古屋駅から離れれば携帯が繋がるかもしれない。
●栄方面に向かえば宿も探しやすいかもしれない。

私は、こんなアヤフヤな思いだけで、何の根拠もなく、再び栄方面へと向かった。

第3話へつづく


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